簿記2級を独学で合格するための学習効率やモチベーション維持方法
2016/06/08
日商簿記2級を独学で一発合格するためには、様々な障壁を乗り越えなければなりません。
特に、会社員として働きながら受験を考えている人は、学習効率やモチベーションの管理をしっかりと行わなければ、独学で合格するのは正直厳しいです。
今回は、日商簿記を受験するにあたり、独学の初心者が悩みがちな部分である、学習効率の向上やモチベーションの維持方法を、より効果的に改善して一発合格への道のりを確保するための方法としてご紹介します。
基本的な学習理論
ここでは、日商簿記を受けるにあたり、基本的な学習理論を理解することにより、大きな学習効果を得られる方法をご紹介します。
まず下のフローを見てください。
この構図から分かるように、学習に対するモチベーション、合理的な学習効率、そして勉強時間、何一つ欠けても日商簿記2級に一発合格することはできません。
逆に言えば、この3つのポイントをしっかりと抑えてしまえば、簿記だけに限らず、どんな試験にも対応することが可能となります。
モチベーションの維持
モチベーションは<マインドセット>でもお伝えしたように、将来的になりたい自分を常日頃からイメージしていくことです。
とは言っても、人は基本的に「怠け癖」があります。
当然、私もそのうちの一人でした。
そこで効果的にモチベーションを維持する方法があります。
簿記検定は困難なRPG
独学のモチベーションを維持するには、勉強を楽しむポイントを作ることです。
具体的に言うと、テストの点数をRPGのレベルとして捉えることです。
ドラクエやFFなどのRPGをイメージしてみてください。
ダンジョンに潜むボスを倒すためには、コツコツと雑魚キャラを倒してレベル上げをしなくてはなりませんよね?
この心理作用を簿記受験に照らし合わせてみましょう。
先週できなかった商業簿記の仕訳問題が今週は解けている。
前回の模擬試験で50点だったのが今回は60点に上がっている。
こうして自分の弱点をコツコツ克服することが、主人公がRPGのボスを次々と倒していき、レベルアップしていくような感覚に近付けば、学習のモチベーション維持に繋がるのです。
そうなれば当然ラスボス(簿記2級一発合格)を倒せる日もそう遠くなくなるはずです。
こんな感じで、飽きることのない楽しいゲームだったら、クリアするまでいつまでもやり続けることができますよね。
アメとムチの心理
人を教育する上でよく使われる言葉が「アメとムチ」です。
簿記独学のモチベーションを保つ上でも、このアメとムチの心理作用が効果的に働きます。
アメとムチのポイントは、学習の所々に小さな目標地点を作るのです。
この目標地点は、今の自分のレベルを摺り合わせてみて、越えられるかどうかギリギリのところで設定するのです。
例えば、今週は個別論点のテキストと演習問題を終わらせるだとか苦手論点を一つ克服するといった小さな目標です。
そして自分の設定した小さな目標地点に達したときには、プチご褒美を自分にあげることです。
プチご褒美はあなたが好きなものなら何でもかまいません。
缶ビールを1つ開けるだとか、大好きなケーキやチョコレートなどを頂くなどでいいんです。
このプチご褒美をゲットすることで
「また次も頑張ろう」
という気持ちになれるのです。
当然、この目標をクリアできなければご褒美は次回までのお預けとなります。
この「アメとムチ」の繰り返しを試験当日まで行えば、あなたのモチベーションは確実に維持されることでしょう。
人は小さな成功体験の積み重ねや、苦手意識の克服により自信をつけていくことができる生き物です。
この積み重ねが、後々の試験で大きな結果を生み出す要因ともなることを覚えておいてください。
簿記2級の学習効率
学習効率を高めることで、より短期間で知識の習得が可能です。
人の集中力は一般的に50分が限度と言われています。
この原理を利用して50分勉強したら5~10分の休憩を入れるのです。
そしてまた勉強を始めることで集中力を維持したまま知識が身についていきます。
学校の授業の一コマが50分単位に設定されているのも、生徒たちの学習効率を高めるための理由だとされています。
ですのでダラダラとスマホなどをいじりながら3時間机に向かうのと、50分だけきっちりと集中するのとでは、「学習の質」が大きく異なってきます。
ダラダラするなら短時間集中して、余った時間は他のことに当て込んだほうが時間という資産を有意義に使えるとは思いませんか?
簿記2級の全体像をしっかり捉える
簿記2級の学習効率を高めるために必要なのは、出題項目の全体像をしっかり捉えることです。
簿記2級の出題項目と配点は以下の通りです。
簿記2級は、商業簿記・工業簿記の2分野を攻略しなければなりません。
商業簿記だけ満点を取れたとしても、工業簿記が全くできていなければ合格ラインの70点に到達することはできないのです。
したがって、より早く全体的に平均点を取れるような学習方法が得策だといえます。
一般的に言われている学習手順ですが、解法を覚えてしまえば比較的簡単な工業簿記から理解していくのが効率的とされています。
<学習プランの作成方法>のページでも説明している通り、独学の初期段階で工業簿記をマスターしてしまえば、残りの期間は商業簿記を集中的に学習できます。
特に第2問の伝票・個別論点では、ひっかけ問題が出題される確率が高いのと、第3問の財務諸表・精算表は解答までにとにかく時間がかかるのでじっくりと理解を深めていきたい部分です。
勉強時間の確保
さきほどもお伝えしましたが、【タイム イズ マネー】という言葉があるように、時間は唯一人間に与えられた平等な「資産」です。
毎日の生活の中で、その資産を有効運用する方法としてスキマ時間の活用というものがあります。
電車やバスで通勤、通学されている方なら車内でテキストを開くことができますよね。
お昼休みが1時間あるのなら10分程度で食事を済ませて残り時間は勉強に当て込めますよね。
睡眠時間をいつもより1時間削ったとしてもそれが原因で死に至ることなんてほとんどありませんよね。
試験までの期間は、友人達との飲み会や恋人とのデートの回数を減らすことだってできますよね。
こういった僅かに出来るスキマの時間を上手く使える人とそうでない人とでは、後に雲泥の差が生じることになります。
今のあなたの生活スタイルの中から、スキマ時間は何時間捻出できますか?
まとめ
今回は、簿記2級を独学で一発合格するために必要な、学習効率やモチベーション維持方法をご紹介してきました。
受験勉強はとにかく時間との勝負です。
社会人の方が日商簿記2級を働きながら、独学で一発合格を目指すというのは、計り知れないプレッシャーになります。
ですが、今回私が悩みもがきながらも実践してきた独学のモチベーション維持法や学習の効率化を参考にしてもらえれば、あなたの学習方法に何か変化をもたらすかもしれません。
諦めずに進んでいきましょう。