試験対策テクニック③試験当日に失敗しない検算テクニック
2016/06/08
簿記の基本は、電卓を使用した足し算を行う単純計算です。
しかし、単純計算といっても、複雑な仕訳を多数こなし、金額の割り振りをしていきますので、集中力の欠如とともにイージーミスも発生しやすくなります。
簿記の学習を進めていく中で、必ずといってもいいほど、貸借差額が合わない!という事象に遭遇します。
試験本番を想定すると、緊張と残り時間との戦いで検算も焦ってしまい、逆に間違った解答をしてしまうケースもあります。
今回は、簿記の試験対策として一番ミスの出やすい部分でもある「貸借表の合計金額が合わなかった時」に役立つ検算テクニックをご紹介します。
二重転記ミス
二重転記ミスとは、仕訳を行う際に貸借対照表に記入する勘定科目を逆に書いてしまうというミスです。
具体的な例として、買掛金5,000円を現金で支払ったという取引があったとします。その際に処理する仕訳は以下のようになります。
(借)買掛金 5,000 (貸)現金 5,000
この時に買掛金と現金の振り分けが貸借逆に記述されてしまうケースです。
これにより結果的に、貸方が借方よりも10,000 円多くなり、仕訳の合計金額に差が生じる事になります。
これによって、貸方と借方の合計金額に差が生じますので、その差額を2で割ってみます。
例題の差額は10,000円ですので、2で割ると5,000円となります。
次に、仕訳メモの中から5,000円の仕訳案件がないかチェックして、転記された解答用紙を見てみると、それが原因でミスが生じていたことが分かるはずです。
桁違いミス
次に、二重転記ミスであげた例題の仕訳がこうなってしまったとします。
(借)買掛金 5,000 (貸)現金 50,000
これが典型的な桁違いミスとなります。
貸借表の合計金額は合致せず、貸方が借方よりも 45,000 円多くなることになります。
この場合の対処法は、差額を9で割ることです。
45,000÷9=5,000となりますので、5,000円の仕訳を探し出すと桁違いミスを起こしていることに気付くはずです。
しかし、差額を9で割った数字が仕訳の中から見つからない場合もあります。
そうした時は、500円・50,000円といった形で、桁数をずらして仕訳をチェックしてみて下さい。
それに似たような数字が出てきた仕訳を再度チェックしてみましょう。
それでも数字が見当たらない場合は、違うミスが原因で合計金額が合致していないということになります。
まとめ
貸借表の合計金額が合致しない原因は、二重転記ミスか桁違いミスの場合がほとんどです。
したがって、貸借の合計金額が合致しなかった時の検算手順はこうなります。
二重転記ミス
1.貸借差額を2で割る
2.算出額の仕訳をチェックする
桁違いミス
1.貸借差額を9で割る
2.算出額の仕訳をチェックする
3.見当たらない場合は、前後に桁をずらした数字をチェックする
この検算方法であれば、試験本番でもわずかな時間で間違い箇所を探し出せますので、覚えておいて損はないテクニックです。