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簿記2級の合格率は?難易度に左右される人ほど合格できない!

      2018/09/04


就職や転職の際、履歴書に書ける資格は数多くありますが、その資格試験の中でも「日商簿記」は王道中の王道です。

簿記2級の平均合格率は、ざっくりとして約30%前後だと言われています。
どの試験にも難易度がありますが、簿記2級について言えば3級で基本的な仕訳の基礎と工業簿記の表計算が理解できるかがポイントとなってきます。

過去に書いた<簿記2級の合格率と難易度について>の記事でもお伝えしたとおり、平成28年6月の試験から段階的に試験範囲が改訂されることになりましたので、難易度が上がると捉える人も多いようです。

仮に難易度が上がったとしても、基礎がしっかりとできていれば、その応用として横展開するイメージが持てていれば、ひねり問題にも焦らず対応ができます。

逆に難易度という言葉に左右されてしまう人は、試験本番で焦りやパニックを引き起こして本来の力を発揮できなくなってしまうという残念
な結果につながってしまいます。

今回は、改めて直近の簿記2級合格率の推移と難易度についてお伝えしていきます。

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簿記2級の合格率が30%前後になる3つの理由


簿記2級の合格率が毎回30%前後になる理由は大きく分けて3つあります。

新たなる刺客<工業簿記>の存在


まず簿記2級の合格率低下の原因として挙げられるのは、「工業簿記」が試験範囲に新たに追加となっている点です。

商業簿記と工業簿記はまったくの別物で、原価計算など数学的な方程式を覚えて各表に当てはめていかないと、回答を埋められない仕組みとなっています。

学生時代に数学が苦手だったという人にとっては頭が痛くなる分野だといえるでしょう。

しかし、簿記2級の配点は商業簿記60点、工業簿記40点となっており
合格基準はトータルで70点以上となっていますので、人によっては得意な商業簿記に注力し合格を狙うという戦略もアリなのです。

例)商業50点/工業20点 合計70点

簿記2級の工業簿記は基礎中の基礎問題が主となりますので、
電卓の打ちミスなどがない限りは、予測で表を埋められるサービス問題もありますので、できる限り基礎は抑えて点数を稼いでおきたいところです。

過去の合格率から逆算

簿記2級の試験は年に3回行われています。

大体の平均で30%前後となっていますが、各回によっては
10%台の厳しい回もあれば、40%台のサービス回も実在しています。

直近の過去合格率を見てみましょう。

年度実受験者数合格者合格率
149H30.6.1038,352名5,964名15.6%
148H30.2.2548,533名14,384名29.6%
147H29.11.1947,917名10,171名21.2%
146H29.6.1158,359名20,790名47.5%
145H29.2.2660,238名15,075名25.0%
144H28.11.2056,530名7,588名13.4%
143H28.6.1244,364名11,424名25.8%
142H28.2.2870,402名10,421名14.8%
141H27.11.1559,801名7,042名11.8%
140H27.6.1447,480名16,395名34.5%
139H27.2.2255,225名12,054名21.8%
138H26.11.1654,188名14,318名26.4%
137H26.6.840,330名13,958名34.6%
136H26.2.2355,960名23,254名41.6%

過去の合格率一覧表を見ると、合格率が低い回の次は大抵率が上がっており、作成者側で意図的に難易度が操作されているのではないかという憶測も飛んでいるくらい不自然な回もあるくらいです。

なので、あえて前回の合格率が低い回の次回を狙って、楽して合格しようとする人たちも出てきます。

しかしながら、その背景には法改正によりいきなり出題範囲が変動することがあり、その前後の回で対応できる人できない人の差が数字に表れている部分もあります。

ですので、一概に「過去問だけやっていればいい」という勉強方法だけでは対処できない部分が出てきてしまうのです。

常に最新の出題範囲をリサーチすることが得策だといえます。

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出題論点の範囲が広がっていること


上記でもお伝えしたとおり、平成28年6月の試験から段階的に試験範囲が改訂されていますので、各回の出題内容が微妙に違ってきています。
新たな出題範囲に対応できなければ、おのずと難易度も上がったように感じられ結果的に合格率に影響してしまうのでしょう。

参考までに直近で行われた第149回(2018年6月)の改定内容は以下のようになっています。

【商業簿記】
①税効果会計
・引当金
・減価償却
・その他有価証券評価差額金

②製造業における財務諸表

③連結会計
・貸倒引当金の調整消去
・未実現利益の消去(商品、土地)
※アップストリームの場合

①の税効果会計については、簿記1級の試験範囲とされてきました。

②は工業簿記に関連しており、今までは「原価差異の処理」、「直接原価計算・CVP分析」という基礎的な出題パターンでした。

③については前回の改訂でダウンストリームをまず理解した上で、アップストリームを習得するという段階的な拡張方式です。

まとめ


平成28年からの段階的な出題範囲拡大の発表に、受験者は落胆の声を隠し切れなかったことでしょう。
しかし、この範囲拡大の背景には目まぐるしいスピードで成長し続けるビジネスシーンに対応できるような国家資格としての位置づけを見直すために商工会議所もようやく動き出したということだと私は感じます。

現在の会計事務所や企業の経理部門では、ソフトを使った会計処理が当たり前となっています。

10年ほど前の簿記2級で学習した帳簿のつけ方などは、ほとんど使用されていないのが実情です。

であれば、より時代のニーズに則した実践的な学習をしておけば、近い将来会計業務に就いたときに現実とのギャップを感じることが軽減されるというものです。

もしあなたが税理士や会計士を目指して簿記を学習しているのであれば、出題範囲の拡大は基礎中の基礎でありますし、簿記2級合格だけを目指している方にとっても、合格後履歴書に堂々と記載できる資格です。

今回の出題範囲拡大で簿記2級を取得できたなら、今後の就転職活動において大きなアピールポイントとなることは間違いないでしょう。

合格率や難易度に左右されることなく、自分の最終目標を達成できるよう日々努力し続けた人が合格を勝ち取れるのです。

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